無呼吸の恐ろしいデメリットを紹介します。
「昼間でも眠くなるだけでしょ?」と短絡的に考えてしまいがちですが、これが本当に恐ろしい副作用を引き起こしていきます。
<無呼吸の恐ろしいデメリット>
- 車の運転中に事故を引き起こす。
無呼吸はあまり自覚症状がないので、自分では気づかない人が多いのですが、その中でどうやって気づくかというと、一番多いのが、車を運転していて前に停車中の車に追突する、いわゆる「オカマを掘る」というやつで、事故をきっかけに初めて自分が無呼吸症候群だと気づく人が多いようです。 - パフォーマンスが出ない。
日中ずっと眠いので、仕事や勉強のパフォーマンスが出ません。パソコンに向かった瞬間から意識が無くなって、起きて、また意識がなくなって...を繰り返します。全く仕事や勉強がはかどりません。 - 自他ともに評価が落ちる。
パフォーマンスが出ないので、他人から見ても自分から見ても、仕事が全くできない奴だと思われ、評価が落ちます。また仕事中に居眠りしている姿を上司に見られていて、ボーナス査定に響きます。同僚からも「あいつは仕事中にずっと寝ている」と悪評がたってしまい、会社に居づらくなります。 - やる気が失せ、うつになる。
自己評価も下がってしまうことで「自分は何もできない人間だ」と思ってしまい、趣味や遊びにも積極性を失い、やがてうつ病になります。うつ病と診断されると会社から手当が出たりすることもありますが、再就職の際にはうつ病を経験したと申告しなくてはいけなくなり、採用側からすると精神疾患の可能性がある人を雇いたくはないので、再就職にはとてつもなく不利になります。 - 高血圧による腎臓の破壊→人工透析へ
無呼吸になって毎晩高血圧の状態が毎日続くと、腎臓への負担が大きくなり、腎臓内のろ過機能(フィルター)が壊れます。尿検査でたんぱくが降りるようになり、毒素をろ過できなくなって放っておくと死に至ります。こうなると人工透析を週に3〜4回、毎回3〜5時間病院に通わなくてはいけなくなります。これが一番恐ろしいデメリットです。
人工透析はただ献血のように針を腕に挿しておけばいいだけだと思いがちですが、実は違います。今後一生人工透析を受けるのに前準備として手術が必要です。どんな手術かと言うと、腕の内部に通っている血管である動脈を、内部から皮膚の表面近くまでもってくるというバイパス的な手術が必要になります。なぜこのような手術が必要かというと、腕の表面には静脈しか通っておらず、そのまま人工透析をするとなると10時間以上かかってしまうのです。動脈は血液の流れが激しいので、時間の短縮になります。それでも3〜5時間はかかってしまいます。
腕の表面に動脈が通っているので、手を当てると「ゴォーッ、ゴォーッ」と血液が流れる振動音を感じ、どこかに不意にぶつけて破裂するのではないかと怖くなります。しかも人工透析中の3〜5時間は眠ってはいけないとされる病院があります。眠ると血圧が下がり、透析時間が長くなってしまうからです。何もせず3〜5時間眠ってはいけないというのは本当に地獄です。眠ってしまうと看護師さんに起こされます。 - 無呼吸スパイラル
一度、無呼吸症候群になってしまうと軽度から中程度、重度へとすぐに悪化します。なぜかというと次のような悪循環になってしまうからです。
パターン1:無呼吸で眠い→睡眠障害で腹が減る→食べる→太る→気道が狭くなる→より無呼吸になる。
パターン2:無呼吸で眠い→パフォーマンスが落ちる→自己評価が落ちる→誰ともしゃべりたくなくなる→舌の筋肉が弱る→より無呼吸になる。
以上のように悪循環に陥り、蟻地獄のように抜け出せなくなります。
といった具合で、百害あって一利なしとも言える恐ろしい病の睡眠時無呼吸症候群。次回は「睡眠時無呼吸症候群の対策」をお伝えしたいと思います。